エコノ・メソッドを学んで感じたこと
Jul 31, 2019●まとめ
●エコノ・メソッドを学んで感じたこと
アルビレックス新潟がエコノメソッドを取り入れ始めたことが話題になりましたね。記者会見
僕もエコノメソッドとはどういうものなのか?非常に興味があり、先日講習会に行ってきました。
詳しいトレーニング内容については割愛させてもらいますが、この日はポゼッションのトレーニングの中で、設定やルールによって体の向きを良くすること、そして首を振ることで視界外の情報を得ることを意識したトレーニングが行われました。
最近 認知―判断―実行というのが当たり前になってきているわけですが、それでも認知の部分が案外弱いというか、まだまだ改善の余地があると僕は感じています。
むしろ認知と判断の部分がこれから更に向上していけば日本はもっともっと面白い選手を育成でき、その中のトッププレーヤーがヨーロッパで活躍することももっと増えるのではないかと思っています。
今やっているトレーニングを劇的に変えるのではなく、今やっていることプラスアルファを考えていく。もちろん物理的に練習時間を増やしたりすることはできないので、認知―判断―実行とリンクさせて技術向上を目指す。そのトレーニングアイディアを考え、みんなで共有していくことが良いかもしれませんね。
メソッド部門の部長であるオスカル・ガルシアさんも「技術に特化したメソッドや落とし込み方は日本人コーチの方が優れている」と語っていました。つまり技術レベルの向上だけで考えるとスペイン人も認めるほど日本人は優れているということになります。
ただその技術を、どの場面で、いつ、誰と使うかは「判断」が影響してきます。よって、その判断をより効果的なものにするには、「この状況はどうなっているのか?誰がどこにいるのか?」ということを認識しなければいけないので、「認知」が重要だと言われているわけですね。
●プレーを実行する順番
どこに立っている?(ポジショニング)
状況把握(どのように情報を入れる)
理解(何が起こっている?)
判断(どのように情報を使う?)
実行
そして実行の部分はボールがある状態を思い浮かべることが多いですが、実際のプレーでは99%がボールなしでの実行(例、ランニング、ダッシュ、ターンなど)で、ボールありの実行はすべてのプレー中なんと1%しかない。
だからと言ってボールがある状態でのプレーが必要ないと言っているわけではありません。プレー中の影響が大きい「オフザボールの動き」も注目しましょうということです。
●ポジショニングの重要性
今、自分でも研究中なのは「ポジショニングについてどうやって教えていくか?」ということです。しかも、8人制なら8人全体のバランス、11人制なら11人全体のバランスを考えられるようになること。どういう段階を踏んでいけば良いのか?どういうトレーニングがあるのか?
何を見るかも大事ですが、「どこに立って、そこからどう見るか」も重要だと思うからです。
自分とボールと相手の関係だけではなく、直接ボールを受けることはできないけど、このポジショニングによって相手を引きつけ、味方により有利な状況を作り出しているというのも良いポジショニングです。
サッカーは団体スポーツなので、11人のつながり、バランスが非常に重要になっています。ボールを持ったら上手いけど、守備できないし、周りの選手とつながりながらプレーできない、ポジショニングを取れない選手というのは最終的には限界がきます。
ポジションとは=役割とも言えます。ということは、11人の中でそもそもそれぞれに役割があるわけです。その役割を果たさず、自分のやりたいプレーしかやらない、できないという選手がプロになって、またはプロになったとしても海外でトッププレーヤーとして活躍できるでしょうか?
僕は海外に行った日本人選手で活躍できたか、できなかったかはこの「11人で繋がりながら、ポジショニングを取れること」ができていたか、できなかったかが大きいのではないかと感じています。もちろんそれ以外にもストロングポイントがなんだったか?その国の文化に順応しようとしていたかどうかなど絡んでくるとは思いますが。
以前、とある元日本代表の方と話をさせてもらった時に「チャンピオンズリーグでプレーする選手と日本人選手と何が違うと思いますか?」と聞いたことがあります。
その方の答えはズバリ「立ち位置を知らないこと」だとおっしゃっていました。
ポジショニングを知らなくてももちろんプレーできます。でも、どこに立ってプレーをスタートするか全く無視してしまうと個人の力量が大きく影響してしまう。となると一人で解決する力がない選手以外はプレーできないということになります。
それはそれで個人のレベルアップにはいいですが、ポジショニングを気にすることを知らないとレベルの高いチームに行ったり、プロになる、または海外でプレーするとなったときに「ボールすらさわれず、どこに立ったらいいかわからず途方にくれる」ということが起こってしまいます。
ポジショニングか個人の力量かの二択ではなく、今持っている技術をより効果的に発揮するために最初にどこに立った方がいいかも知った方がお得ですよということです。
サッカーの試合中の9割はボールに触っていない/U-12年代までに理解しておくべきポジショニングの概念
昨今「ポジショナルプレー」という概念が広く認知されているが、ジュニア年代では、その前提となる「ポジショニングの概念」を理解しておきたいところである。
試合での正しい立ち位置を身に付けさせる練習方法/U-12年代までに理解しておくべきポジショニングの概念
サッカーコーチのコーチとして活動中の倉本和昌氏による「12歳までに理解すべき、ポジショニングの概念」。前編では「ポジショニングの重要性と定義」について講義をしてもらったが、後編ではより実戦に即した「U-9、U-12年代におけるポジショニングの指導方法」と題し、具体的な練習の仕方、コーチングのポイントを紹介したい。
良いポジショニングを何も教わらず自分で気付くとしたら、その選手のセンスにかけるしかないとなりませんか?そしてものすごく時間がかかりそうだと。
算数の公式みたいなもので、「こういう風に考えるんだよ」という基準を知っておくだけで、後は自分で発展させていけるのです。
それを「かけ算自体を自分で生み出しなさい」となったら大変だということがわかると思います。もうすでに考えた人がいて、体系化もされているんだとしたら、それをまず習ってから自分で発展させていった方が良いのではないでしょうか。
他のやり方でも育成はできると思います。それを否定する気もありません。
でも、ヨーロッパではそれが当たり前になっていて、すでにそこからより個人で違いを作る選手にするにはどうしたらいいか?という段階まで行っています。
南米の選手は?となるかもしれませんが、トッププレーヤーはほとんどがヨーロッパでプレーしており、彼らも11人の繋がりの中でプレーすること、ポジショニングのバランスを元々取ることをできていたか、またはヨーロッパで学んでいるわけです。それができないとチームとしてそこが穴になり、負けてしまうし、そもそもその選手自身の評価は下がり、そのクラブでプレーできなくなるからです。
監督も個人技術は素晴らしいけど、チームとしてプレーできない選手は使いたがらないですし。そうするとせっかくの才能や能力があっても良い評価がもらえず、試合に出られないという状況になってしまうのは非常にもったいないと思います。
チームでプレーできて、更に個人として違いが作れる。特徴がある選手というのがトップレベルの当たり前になっています。
●これからやっていきたいこと
W杯でやられたベルギーに勝ちたい」と誰もが思いました。
このまま何かを変えないまま努力を続けていって本当に数年後に勝てるようになるのか?
僕はその方法がポジショニングの認識を変えることだと思っています。
そうなるとポジショニングとは何なのか?
どうやって教えていけば選手たちは強制的にならずに学んでいけるのか?
日本人に合った方法で考えて、作り上げていくこと。
それをやってみたいと試行錯誤を続けています。
今のところの自分のポジショニングの定義は
「ゴールルートを作るため、または相手のルートを遮断するために、直接、間接的に自分、味方に有益を与える場所に立つ、もしくは現れること」
としています。
https://peraichi.com/landing_pages/view/556jg(募集終了)
このように考えることになったきっかけはこのエコノ・メソッドの講習会でした。
エコノ・メソッドについては継続的に進展を見に行きたいと思います!!
おまけにエコノ・メソッドはホルスト・ウェイン氏の考え方の影響を受けているということも聞けたのが、自分にとっては大きな収穫でした。
ホルスト・ウェイン氏について
●まとめ
- 認知ー判断の部分が向上すれば日本人はもっと高いレベルにいける
- ほとんどのプレーがボールを触らない動きになっている
- 認知と同様に重要なのは「ポジショニング」
●現在募集中のセミナー
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