サッカーコーチの指導力をアップするコーチとは

May 24, 2019

 

みなさん初めまして。

より高いレベルでチームの勝利と個人の育成を両立させたいコーチをスペイン、Jリーグクラブの経験を活かした独自メソッドで主体的でクリエイティブに、サッカーの戦術的解決を実現させる「世界基準の指導者育成コーチ」の倉本です。

 

「サッカーコーチの指導力をアップするコーチとは?」と思われた方もいらっしゃると思いますが、簡単に言えば、どのように指導していったらいいかアドバイスやサポートするコーチです。

私がこのポジションについたのは2018年2月です。

着いたというより、自分で作ったわけですが。

 

●サッカーコーチの指導力をアップするコーチになったわけ

 

それまで4年間お世話になっていた大宮アルディージャのアカデミーコーチの職を辞し、
「サッカーコーチのコーチとして起業しよう!」と新しい道を歩むことにしたのです。

お世話になっていた育成部長にも、そして妻にも(しかも、2人目の子どもが生まれたばかりのタイミングだった)
「本当に起業なんかして大丈夫なのか?」「保証はあるのか?」と心配されました。

他の人に相談してもどうせ反対されると思っていた私は妻以外の人には起業のことをほとんど話していませんでしたが、
以前からお世話になっていたセミナー講師としてメンター的存在である犬飼ターボさんNLPの木村孝司さんから「カズなら講師で行けるから大丈夫!」という一言をもらっていたので、
「どうなるかわからないけど、絶対なんとかする自信はある!」と独断でした。

妻を説得するには遡って2年以上前から「俺はいつか起業する」と言い続けていました。
それでも「望み通りプロサッカーコーチとしてJクラブで働いて、恵まれた環境で、周りの仲間にも恵まれて言うことなんかないという状況なのに、それでも辞めるの?」と何度も聞かれました。

妻は家族を守る思いが強いので、やっと安定を手に入れたのにそれをみすみす手放すのか?と不安になったのは理解できます。

 

●サッカーコーチのコーチで起業した3つの理由

 

サッカーコーチという仕事は大好きなサッカーが仕事になったわけですから、嫌になってやめたわけでもありません。

では、なぜサッカーコーチのコーチという職業を作り、起業したのか?

それには3つの理由があります。

  

自分が人生で最も大切にしたいものが何かわかったこと

 

 1つ目は自分が人生で最も大切にしたいものが何かわかったこと
それによってその大切なものをより大切にするにはライフスタイルから見直さなければいけないと考えたから

NLP(神経言語プログラミング)というアメリカ発祥の心理学を学んでいく中で、
成功するには、自分を大切にすること、そして自分の大切にしたい人を大切にすることだと教わりました。

「そもそも自分の人生にとって最も大切なのはなんなんだろう?」とずっと考え出した時に気付いたのは「家族」だということです。
そう「サッカー」ではなかった。

大切な家族とできる限り長い時間いるためには、自由に自分で仕事の場所、時間、給料を決められるライフスタイルに変換することが必要で、残念ながらサッカーコーチを続けている限りそれは不可能だとわかったのです。
それはもしかしたら8年間住んでいたスペインの家族のあり方の影響を受けているからかもしれません。

普通であれば「家族のために自分が仕事をしてお金を稼いでいる。しかも好きなサッカーを教えることが仕事になっているなら、これ以上幸せはないじゃないか!」と考えるでしょう。

でも、私はそうは考えられなかった。週末はチームの試合で休みになることはない。月曜の休みぐらいしか子どもと遊べませんが、子どもが幼稚園や小学校に通うようになるとさらに会う時間は減るわけです。

昼前に事務所に行って、帰るのは23時過ぎ。当然子どもは寝ています。
「でも、仕方がない。仕事だから」とどうしても思えなかったんです。それは自分の人生を悔いなく生きたいからというものあります。
そういう意味では私はかなりの特殊パターンになると思いますので、
決してサッカーコーチという仕事がダメだと言っている訳ではないですよ。

 

より日本サッカー界に勝手ながら貢献するにはどうしたらいいか考えた自分なりの答え

 

自分がよりコーチとして高みを目指すこと(Jリーグのトップチームでコーチをするなど)に魅力がなかったとか、諦めたとかそういうことではなく、単純に自分がより能力を発揮し、貢献できるのは何かと追求した時に「他のコーチをサポートすること」だったのです。

これは大宮アルディージャに入った時からアカデミーの様々なカテゴリーの選手、コーチに関わる仕事をさせてもらったことが一番大きいです。決して私の方がすごいというのではなく、必ず違う視点を出すことを心がけていました。採用するのはその担当コーチな訳ですが、できる限り私は客観的な意見や違う視点を出すことを意図的にやっていました。

そうしていくとコーチから悩みを相談されたり、一緒に解決していくことをやっていきました。もちろん全ての問題を解決できる能力が備わっているわけもありませんから、わからないことは人に聞いたり、学んだりしながらという状態でした。

私が一人で選手を見るのは20人が限界かもしれません。良し悪しを別にして影響を与えらえるのはその人数ということになります。
でも、私が20人のコーチを育成したら、400人の子どもたちに影響を与えることができます。その方が面白いと思ったのです。

しかも、自分がこれまでスペイン、大阪の町クラブ、湘南ベルマーレ南足柄、大宮アルディージャで育成年代の選手に携わる中で、数多くの失敗を経験していったわけですが、
自分と同じ失敗をしないように、または失敗したとしてもすぐに立ち直れるようにコーチがなること。
私の経験談を話したり、心理学、脳科学の知識を実践することにより、
コーチがステップアップする、コーチがより自分らしく指導できるようになることで、結果的に選手はよくなり、チームの結果が出るようになるというサイクルを体感させてもらいました。

 

日本が世界基準になるにはコーチの育成が最重要だと気づいたから

 

高校卒業してスペインにコーチ留学をしていた私は常に「どうやったら日本が世界基準になるのか?」を考え続けていました。

年間を通したリーグ戦の環境が整うこと(最低30試合)
移籍がもっと簡単にできるようになること(試合に出られない時に選手側に選ぶ権利があること。試合に出ることが一番の成長)
フラットな立場でサッカーの議論ができる場所作り(アシスタントコーチの重要度)

三国志の天下三分の計ではありませんが、
日本で今すぐ環境がヨーロッパのサッカー大国のようになることはないですよね。
町クラブが何面もグランドを持っていたり、ロッカールームが常設されていたり、年間を通してのホーム&アウェーのリーグ戦ができていたり。
いずれはそうなって欲しいと思いますし、以前に比べたら良くなっているわけですが、
それでもトーナメント中心になっていますし、選手の負荷を無視した土日の連戦も当たり前のようにやっています。

また、南米やアフリカ諸国のように飛び抜けたタレントが出てきて、その選手がヨーロッパのクラブに買われて、トッププレーヤーになるということも今の日本ですぐできる訳ではありません。もちろんそういう選手が出てくることを願っていますが。
それでも言葉の問題、教育の問題などすぐに解決できるものでもありません。そもそも日本人がEU圏外であるというデメリットも考慮しなければいけないでしょう。

どうしてもサッカーはヨーロッパを中心に回っているからです。これは国が強いとか弱いとかではなく、結局トッププレーヤーはヨーロッパでプレーし、いつかビッグクラブ、メガクラブでチャンピオンズリーグでプレーしたいとなっているからです。

環境をすぐに変えられない
南米やアフリカ諸国のようにタレントがたくさん出てくるわけではない。

となったら何で勝負するのか?

それが「コーチの指導力」だったのです。世界のサッカー大国になることを目指さないというわけではなく、「世界のサッカーコーチ大国」を目指せばいけるのではないかと思ったからです。

元来、世界から日本の文化はリスペクトされており、教育水準も高く、お手本とされてきました。

例えば「空気を読む」ということ。大抵の外国人には理解できません。
それが自然とできる日本人。サッカーのグランド内でも「空気を全員で読めたらすごいと思いませんか?」

相手を思いやること、気遣い、
最近はそれ自体が廃れてきたと言われることもありますが、まだまだ文化として私たちの体、感覚の中に残っています。

正直、スペインに住んでいた時に「こんな適当な人種になぜ僕ら日本人はサッカーで勝てないのか?」と悔しく思っていました。

つまり、二つ目の理由にもつながっているのですが、日本人の指導力を世界基準にすることでサッカー大国の仲間入りできる可能性が高まります。
日本人のサッカーコーチも負けず劣らず学ぶ意欲は非常に高い。勉強熱心なコーチはたくさんいます。

でも、そのコーチたちも「どうして自分のイメージが伝わらないのだろう?」
「何度言ってもなかなか理解してできるようにならないのはどうして?」
「どうして望む結果が出ないのか?」
「本当に自分がやっていることはあっているのか?」と悩んでいるわけです。

私も同じ悩みをずっと抱えてきました。心理学、脳科学を学び始めた理由はそもそも自分の問題を解決するためだったわけです。

さらに辛いのは他のコーチにもなかなか相談できないことです。それはコーチとしてのプライドも影響しているかもしれません。「こんなことも知らない、できないなんて思われたらどうしようと」と

相談したとしても愚痴の言い合いになって、明確な解決策が出ない。
または経験があるコーチの意見(経験則に基づく)を試してみてもどうもうまくいかない。
結局その問題は先送りにされることが多く、解決されないまま子供たちは卒業していくのです。 

町クラブのコーチ、少年団のコーチ、学校の先生、Jクラブのコーチとカテゴリーやレベルは違うにしてもこれまで1000人を超えるコーチと出会っていく中で、実は似たような悩みを抱えていることが多いということにも気づきました。

サッカーコーチのコーチとして活動してからも500人を超えるコーチがセミナーに参加してくれ、
Jクラブコーチからこれから指導者を目指す大学生、幼稚園児を教えているコーチまで
幅広いサッカーコーチのサポートを継続させてもらっています。

これから日々の考えていること、学び体系化したものを発信しながら、少しでも皆さんの日々の指導のお役に立てればと思っております。

 

●まとめ

 

日本のサッカーの底上げをするには、選手の技量をアップするよりもサッカーコーチの指導力をアップすることだということに気が付きました。

そこでサッカーコーチのコーチという職業をつくりました。

コーチで起業した3つの理由は以下のとおりです。

  1. 自分が人生で最も大切にしたいものが何かわかったこと
  2. より日本サッカー界に勝手ながら貢献するにはどうしたらいいか考えた自分なりの答え
  3. 日本が世界基準になるにはコーチの育成が最重要だと気づいたから

 

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