プロサッカーコーチになるには?私の履歴書 湘南ベルマーレコーチ石川桂②

サッカーコーチになるには? どういう経路があるんだろう?

プロサッカー選手としての経験がなくてもプロサッカーコーチになれる!
実際にそれを実現した方にフォーカスして対談していくシリーズ第2段!

湘南ベルマーレ石川桂さん後編です。

石川桂氏 トップチームコーチ就任のお知らせ « 湘南ベルマーレ公式サイト
 

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印象に残っているコーチは?

プロサッカーコーチになるには?私の履歴書 湘南ベルマーレ石川桂②

倉本:印象に残ってる指導者、ぜひ。

 

石川:僕すごいそれも本当幸運というか、自分で狙ってるわけじゃないけど、本当にこう素晴らしい指導者の方と一緒に働かせてもらったり、下につかせてもらったり、選手やらせてもらったりっていうの多くて、日本人だったら筑波大にときに風間八宏さんにサッカー教えてもらって、FC東京では長谷川健太さんに近くで一緒に働かせてもらって、どういうものかみたいな、サッカー、トップチームを束ねるとはどういうことかみたいなことを見させてもらって、

ベルマーレでも浮嶋敏って、今トップチームで一緒にやらせてもらってるんですけど、やっぱり育成の畑って見たときに、本当に日本でもトップレベルの指導者だなっていうふうに思ってるし、だからベルマーレにまた戻ってきて、一緒に働かせてもらいたくて、勉強させてもらいたくて戻ってきたっていうのもあるし、日本人の指導者で言ったら、本当にすごく自分は恵まれた環境で勉強させてもらったなっていうふうに思っていて、

スペインの優秀なコーチ

スペインのときに自分が選手で良い監督だなというか、この監督すごいなと思ったのは、倉本さんもご存知だと思いますけど、ジョセップ・クロテットっていう方がいて、僕はその監督と出会ったの中2ですね。当時。

倉本:そうなんだね。

石川:僕、カデーテに行って、当時カデーテAが降格争いに巻き込まれて、多分半年ぐらいで監督がクビになったんですよね。中3の。そのタイミングでジョセップが来て、ジョセップ来たタイミングで自分のことを1個上の学年になるけど、カデーテAの方に入れてくれて、そこから一緒にジョセップと1年、1年やってないですね、だから。本当半年ぐらいですけど一緒にやって、中学生ながらにサッカーなんとなくやってたけど、サッカー勝つためにやんなきゃいけないことって結構多いんだなみたいな。

チームとしてここにボールがあったら、全体がこういうふうに動くんだぞとか、そういう戦術的なこととか、相手の弱点とか、そういうのをものすごい落とし込んできて、それがもちろん日本で、スペインでもそうかもしれないですけど、賛否はもちろんあると思うんです。

でも、残留しないといけないっていう至上命題がある中で、実際僕らそこから、本当にビリから2番目だったんですけど、最終的には残留して、やっぱすごい監督だなって、監督って大事なんだなって思ったのはもうそれが初めて。それまでは監督大事って思ってないって言ったらあれですけど…。

 

倉本:まあわかる。選手で一生懸命やる方だからね。

 

石川:自分がサッカーやることが大事で、勝つ、負けるは自分たち次第ぐらいな思ってたのが、監督がすごく勝利に影響してるんだなっていうのを理解したのはそのときで、ジョセップってそこから1年、僕のカテゴリー上げてくれてから、カテゴリーを降格から守ってくれてから、次の年はユースチームやって。

倉本:そうだね。そのとき覚えてる。

石川:コルネヤのユースチーム見て、エスパニョールとかバルサとすげえいい勝負するようなチーム作って、エスパニョールより上に順位がいたりなんなりしてたら、もうあっという間に次の年はエスパニョールに引き抜かれて行って、やっぱり子どもながらに監督も勝負の世界なんだなっていう。結果を出せばもうあっという間にエスパニョール行けるんだなっていう。で、エスパニョールで何年かやって、今はプレミアでやられてます?

Pep Clotet - Wikipedia

 

倉本:うん。2部だったかな。イングランド2部。プレミアの1個下だっけ。

 

石川:そうですね。

 

倉本:多分。その前はスウェーデンでだってチャンピオンズリーグ出たりしてるからね。マルメとかで。

石川:そうですよね。

倉本:うん。いろんなチーム行って。

石川:で、もう本当面白いなと思って、だから日本だったらやっぱりなかなかそういうのって考えづらいというか、僕のチームにジョセップがやって来たときって、ジョセップ、普通にサラリーマンやって、ちょっと何やってたか僕わかんないですけど、でも全然スーツ着て、サラリーマンやって、夕方、グラウンドに来て、僕らにサッカー教えてくれて、週末は試合やってみたいな生活だったのに、もう本当に5~6年後にはあっという間に、そういうスウェーデンとかイングランドみたいな、もうサッカーだけで飯食いますみたいな世界に行くというか、ステップアップのスピードが優秀なら早いなっていう。

逆に駄目だったらあっという間に半年でクビになってしまうんで、自分のサッカーやれば負けてもいいんだよみたいな、そういう考え方ってスペインってなかなか生まれづらいのかなっていうのは一方で思うんですけど。

大差で負けてはいけない!

倉本:そうね。まあだからあれだよね。理想だけで戦わないよね。だって負け続けたらクビになる経験を必ず何人もしてるじゃん。俺もそうだったけど。だからより現実に合わせるよね。理想の中での現実に合わせにいくよね。やりたいサッカーはあるんだけど、いる選手を含め、勝たせるにはどうするかみたいな。

 

石川:うん。日本と比べて、やっぱり10対0とか8対0で負けることってあんま見ないなみたいな。スペインの方が。

 

倉本:ないない。3-0以上で負けたらお前のせいだってよく言われてた。監督の戦略ミスだって。

 

石川:そう。でも本当そうですよね。バルサ、さっき話したようなメッシがいて、ピケがいて、セスクがいてみたいな、そんなもう多分、バルサの歴代でもなかなかないぐらい強いチームは

倉本:ああもうあの時のチームは歴代最強って言われてもんね。

石川:やっぱり3-0とか2-0で負けるくらいで済みますもんね。下手したら1-0で勝ったりするチームがあったり、やっぱりこう、でもそれって何やってか、めちゃくちゃ守ってるじゃないですか。ファイブバックにしてみたり、マンマークつけてとか、みんなで守ってカウンターでとか、セットプレーで点取るためにセットプレーの練習しかしないとか、劣勢なのに。

だからそういう意味では、そこらへんの勝利至上主義的な部分もあるのかなと。逆にバルサの育成もかなり追い求められるのかなと。でもそれ以外の町クラブはもうみんな残留が目標だから。

 

倉本:そうそう。だってビルバオに住んでるときに、アスレチック・ビルバオと対戦するじゃん。で、1シーズン、2回対戦して、僅差までいったことがあったんだよ。2-3で負けるみたいな。すごい追い込んでっていうゲームがあったからこそ、次のシーズン、勝ちに行こうじゃないけど欲が出ちゃって、9点ぶち込まれたんだよね。1点取ったけど9点ぶちこまれて、まず次の週の練習最悪だよね。

 

石川:まあそうですよね。

倉本:誰も話聞いてくれないし、まず試合終わったあとに育成部長にもうブチ切れられて、めっちゃ怒られた。頭おかしいのかお前はみたいな。一応いるクラブも結構強いクラブだったから、よく考えてみろと。このシーズン中30試合ある中で、どう考えても俺らより上だっていうチームは1個しかないぞと。それがビルバオだから、そこにいかに何とか負けないようにするかって戦略を立てなきゃいけないのに、お前はあほかみたいな、めっちゃ怒られて。

石川:攻めにいったってことですね。

倉本:そうそう。攻めに行っちゃったの。そう。ボール握ろうとか抜かしてやろうとかしちゃったから、もうそれがあって、めっちゃ怒られて、次今度アウェー、ビルバオの方でもやらなきゃいけなくて、もうそのときは完全にカテナチオやった。もう一切出ていくなって、自陣から出んなって、結局セットプレーでやられて0-2だったけど、みんな選手とかがよくやったぞって。

 

石川:うん。そうですよね。手ごたえが選手が持てますよね。頑張れた。やれた俺ら。ある程度こう。でもそういう感覚を積み重ねていくこと大事ですよね。

相手と自分を見極める

倉本:うん。だからそれが相手が格上だからっていうのがわかってるからそうするじゃん。それをいつもそうするかっていうとそうじゃないじゃん。同等か下とやる場合にはまた変えるじゃん。

石川:違うサッカーやろうってなりますよね。

倉本:違うサッカーやろうとするじゃん。だからそれを経験っていうのが年間通してやれる。それ間違うこともあるじゃん。戦略を。この経験がコーチとしてはめちゃくちゃ鍛えられるなっていうのは改めて思った。

石川:環境ですよね。

倉本:うん。思ったね、それは。最終的にそれで結局ビルバオにそうやっていい試合して、ダービーも勝ったんだけど、クビになるっていうオチがあるんで。もうだから選手との信頼関係が壊れちゃった。やっぱ最後の最後まで修復できなかった。

石川:へえ。

一度切れた信頼は取り戻せない?

倉本:途中でクビって。

石川:途中で?

倉本:そうだよ。シーズン途中で、もうお前離れろっつって。

石川:まあでも、結構離れちゃうというか、離れてしまったものを引き戻すってかなり難しいですよね。

倉本:その年の間には俺の中では無理だなと思った。

石川:いや、本当そう思います。僕も。

倉本:そのシーズン中には無理だな。

石川:そう。だから降格しそうなチームと、まあJリーグでもやっぱりこう、うまくいってないチームって監督、パンって変える、最近はすごく多くなったと思うんですけど、やっぱりその監督がすごく悪いとか悪くないとか以前の問題で、もうちょっと一回壊れてしまったものを、もう切り替えて来週からやろうぜみたいな感じに選手ってなれないんだなっていう。もちろんなれる方法あるかもしれないけど、でも見たことないですね。大体もう取り戻せないままシーズンが終わってしまうという。

倉本:うん。そう思うよ。

石川:だからスペインも僕は監督、3回クビになりましたね。

倉本:シーズン中に?

石川:僕6年間、シーズン中に6年間で。毎年監督は変わるんですけど、シーズン中に今日でお別れだってロッカールームに監督が入ってきて、選手一人一人と握手して出てって、新しい監督が入ってきてっていうの、3回経験しましたね。

 

倉本:うわー。そのときってどうなの?心情としては。変わっちゃったわみたいな、まあこの新しい監督、じゃあ何求めてくるのかな。どうやったら試合出れるのかなって、やっぱそっち?

 

石川:どっちかって言ったらそうですね。新しい監督、何求めてんだろうなって思うようになったのは3人目くらいからで、1人目のときはちょっと衝撃すぎて、本当にこんなことが起こるんだっていう。多分周りのスペイン人にとっては当たり前といえば当たり前。

 

倉本:まああるよねみたいな。

 

石川:うん。多分こう、環境だったと思うんですけど、ちょっと自分的には、うわっ、あるんだ。どうすんだろう、これから、みたいな。で、まあ自分たちの責任でとかそこまで深いことは考えなかったですね。シンプルに、クビになっちゃったんだ。すげえな、スペイン、みたいな。

 

倉本:(笑)。おおー、みたいなね。

 

石川:感じ。でも3人目ぐらいになると、まあやっぱクビになるよねみたいな。

倉本:ああ、やっぱりわかるもんですね。

石川:ぐらい…うーん、まあやっぱり…。

倉本:うん。うまくいかない感じ出てくるんでしょ、最初から。

石川:そうですね。うまくいかないし、それこそさっき言ったようなジョセップとかと比べると、どういうふうにプレーしてほしいとか、それってでも、それも本当に賛否あると思うんです。日本だったらもしかしたら、選手が自分で考える力を身に付けさせないといけないから、そんなに言うべきじゃないみたいな。

 

倉本:わかるよ。

 

石川:って言って、6-0で負けるみたいな。人によりますけどね、もちろん。

倉本:うん。わかる。

石川:っていう考え方、もちろんあると思うんですけど、当時僕はやっぱこう、勝つためにはチームとして動く必要あるっていうの、すごい身に染みてたから、じゃないと勝てないっていうのわかってたから、なんでとくに何も言わないで練習だけして、フォーメーションだけ言って、選手の名前呼んで、それで試合して負けて、それは負けるよ、みたいな。っていう、でも選手もやっぱそういう話してますよね。そういうのって。

倉本:だからはっきりしてほしいんだよね。正しいか正しくないかは結果として出てくるんだけど、こうしてくれみたいな。

石川:そう。が、ない人とある人で分かれてたなっていう。

通訳をやる理由

倉本:なるほど。すごい経験してるんだな。いいな。で、またちょっと今度話を近くに戻すんだけど、実際に「ジョアンと一緒に働かない?」ってちょっと俺から話を振ったっていうのもあるけど、受けて、そのジョアンの通訳やろうと思ったのはどうして?まあ、やってみようか。

 

石川:もう本当タイミングすごいばっちりだったっていうのが一番で、社会人3年目で、あれ多分僕からカズさんに電話したと思うんですけど。

 

倉本:そうだったけ?俺、ちらっと桂に振った気がするんだよね。最初、大学卒業するときに話はしてて…。

 

石川:そうです。そのときに振られてて、でも僕断ったじゃないですか。で、全然そのことをあんまりだから、また通訳をやってみないかって言われるとは全然思ってなかったんですよ。

その電話したタイミングでは。僕、電話したときって、社会人3年目のちょうど1月ぐらいだったと思うんですけど、1月、12月ぐらいにカズさんに「サッカー界戻りたいんですけど、何か方法ないですかね?」みたいな。それ別にカズさんだけじゃなくて、いろんな人に電話してて、自分の中で伝手がある人に。

そのタイミングで、「いや今ちょうどジョアンの通訳探してるんだよ」っていう話から、「ちょっと考えてみろ」っていう話になって、通訳って全然思ってなかったけど、まあジョアンがどういう人かみたいな、どういうキーパーコーチかみたいな話をカズさんからしてもらったときに、キーパーのことって全然自分ってサッカーに携わってきたけど、考えてきたこと一回もなかったなと思って。

ゴールキーパーはゴールに捉われてはいけない!
FC東京の林彰洋も師事する世界基準のゴールキーパーコーチ ジョアンミレッの理論 ゴールキーパーがまず考えなければいけないことを伝える

 

で、結果的にはそうだなって今でも自分で思いますけど、倉本さん、カズさん的には「いやもう世界で一番良いキーパーコーチだから」みたいな。それが本当なのかなっていうのはもちろんありましたけど、でもこう、いろんな理論の資料だったり、実際に会って話したりする中で、この人、確かにすごいかもしれないみたいに思って。

で、サッカー界に戻るってなったときに、正直フィールドプレイヤー寄りで戻りたいっていうか、もうそれ以外ないと思ってたので、コーチとか、なんだろう。フロントかなとか、マネージメントでなんかJクラブじゃなくて代理人の会社やってるところに入ろうかなとか、いろいろ思ってた中で、キーパーコーチ、キーパーに関わるなにかって全く頭に浮かんでなかったけど、確かに考えたことないなと思って、サッカー、11人でやるスポーツで、いつもフィールドの要は出身のコーチは、キーパー切り離して考えてるみたいな言われたときに、確かにそうだなと。

で、自分の勉強にもなるし、今後サッカー界で生きてくってなったときに、やっぱキーパーのことわかってるってすごいアドバンテージだと思ったし。あとはJクラブで働かせてもらえる。そういう環境に行かせてもらえるっていうチャンスを活かした方がいいのかなっていう気持ちでやろうかなって思いました。

 

倉本:なるほどね。トータル5年間。

石川:そうですね。すごい長くなりましたね。

倉本:長かったね。一番印象に残ってるのって何?ジョアンとの長く接する中で、いっぱいあるとは思うんだけど。

石川:一番印象に残ってるもの。

倉本:とか、学びになったこと。

石川:いやもう、これはもう話始めると別の対談企画がほしいぐらいな。

倉本:(笑)。そうなの。それまた設けるわ。

石川:(笑)。いやでも、やっぱりジョアンのこと嫌いっていうキーパーいないですよね。そのキーパーですよ。選手。

倉本:ああー。うんうん。教えてもらった子たちでね。

石川:はい。教えてもらった子どもとか、トップチームで実際FC東京でやったときも。なんかキーパーってやっぱり1人しか出れないから、僕がキーパーだったら出してもらえなかったらむかつくと思うんですよね。

なぜジョアンは慕われる?

実際自分も出してもらえなかったら監督のこと嫌いだったし、出してもらえたら監督のこと好きだし。なんかそれぐらいなものじゃないですか。子どもってとくに。もちろんプロも絶対そうだと思うし、プロに関して言えば、第4キーパーまでいるわけだから、よりマネージメントって難しい中で、みんなから本当に慕われてるなというか。

で、なんでかなって思ったときに、やっぱりこう、キーパーとしてこの人は自分をうまくしてくれるっていう信頼を勝ち取るんですよね。ジョアンって。だから、試合に出れてなくても、もちろんいろんなサポートしますよ。いろんな話、ジョアン自身も出てない子たちと話するけど、でも一番大事なのは、やっぱ子どもたちがうまくなってるっていう実感を得れるというか、実際うまくなってるし、ただお前と同じぐらい努力してるこいつが今は試合に出るぞっていう。そこはもちろん1人しか出れないからしょうがないんですけど、ジョアン自身、指導者としてやってることは正しいってみんなが思ってるみたいな。

だから嫌われないのかなっていう。キャラクターももちろんあると思うんですけど、この人とやったらうまくなる。風間さんとかはそれに近いのかなという感覚は自分の中であって、やっぱり風間さんとサッカーやるとうまくなるっていう、選手みんな言うし、練習楽しいっていうし。だからそういう意味では技の伝道師じゃないですけど、そこがすごく、一番印象に残ってるって言ったらそこですかね。

 

倉本:なるほどね。実感させてるんだよね。確かにな。

 

石川:だからフィールドでも同じだと思いますよね。この人とやったらうまくなるって思える監督って、少ないけどいるじゃないですか。

倉本:いるね。

石川:この人といればタイトル取れるとはまた別だと思うんです。それはそれでまた素晴らしい監督だと思うし、そういう監督ももちろんいると思うんですけど、この人とやったらうまくなる。この人とやったらサッカー楽しいみたいな。ペトロヴィッチさんとか何となくそうなのかなって、自分の中では、お会いしたことないですし、何となく人の話聞きながらやってるサッカーとか選手のコメントとか見ながら、そうなんじゃないかなって思うのは、そういうペトロヴィッチさんとかそうなのかな。

コーチになるきっかけ

倉本:うん。なるほどね。いや、いろんな経験してるね。本当に。まあそれ、通訳をやってて、どこかでコーチになりたいってやっぱあったの?

石川:うーん。通訳をやりながら思ってたことは、正直、強化部とかに入りたいって思ったんですよ。最初は。

倉本:フロントにね。

石川:フロントに。最初は1年くらいはそういうふうに思ってたんですけど、ベルマーレの育成でずっとやってく中で、育成って面白いなっていうのを、今の監督、浮嶋さんに結構教えてもらえて、横で見てただけですけど、サッカーの話してたり、それこそ原理原則じゃないですけど、自分の知らなかったとか、考えもつかなかったようなことを、深くすごく考えてるなっていうのを横で見てて、コーチってやっぱりそういう知識がないとやっちゃいけないんだなっていうのも同時に思ったし、本当にどういうコーチとか、どういう監督と巡り合うかで、その子のサッカーの技量というか実力って結構変わるなって思うようになって。

なんかこう、昔はっていうか、大学生ぐらいのときは、うまい人はうまいし、下手なやつは下手だろっていう、なんとなくですけど、メッシは絶対うまかったと思ってたし、別にチャビもイニエスタも指導者がどうとかじゃないでしょみたいな。

でもなんかこう、やっぱ敏さんと出会って、練習のメニューとか、どういう声かけするかで変わるぞ、これはっていうのを実感して、ジョアンもそうですね。ジョアンの練習見てても、もしかしたら生まれながらの天才みたいなやつはいるかもしれないけど、チームとして個人能力を、個人個人の能力をちょっとずつ上げてあげて、チームとしてよくしていくみたいなのって、練習メニューって変わるなっていうのを実感できて、実感できたから、コーチ面白そうだなって思うようになって、ベルマールの3年目ですね。

3年目ぐらいで、実際キーパーの指導とかはやらせてもらえるようになって、ジョアンと離れてやるタイミングとかもあって、面白いなって思ってたタイミングで、FC東京からジョアンがオファーをもらって、そっちに行くことになったんですけど、FC東京にいる間も、やっぱりこう、コーチやってみたいな。育成でもうちょっとサッカーの勉強したいなっていうのは思ってて、自分がインタビューとかされたときもそれは言ってて、今は育成に興味がありますみたいな。

そういう感じで、徐々にコーチっていうものに興味が出てきたっていう感じですかね。本当は育成をずっとやるつもりだったんです。しばらくは。いなくても。でもちょっとこう、敏さんがトップチームに行くタイミングで「桂も一緒に来い」っていうふうに言ってもらったんで、ここで自分を別にチャレンジをするのも一つかなっていうところで。

評価された部分は?

倉本:なるほどね。自分ではなかなか見づらい部分だとは思うんだけど、何が、例えば敏さんから、桂はどういう評価があったから、ベルマーレに戻ってきたりとか、または一緒にトップチームに上がれたんだと思う?

 

石川:うーん。でも、どういう力があったからっていうのは、正直そこまでわからないというか、でもスペイン語がしゃべれるし、語学の部分では英語も少しはしゃべれるので、プラス、サッカーもやってました、っていう意味では、なかなかそういう人材はいないのかなっていうのが一つと、プロサッカー選手だったわけではないので、サッカーめちゃくちゃうまいこいつみたいなものはないじゃないですか、僕には。

で、子どもがこう、自分のしゃべる言葉一つ一つに何も言わなくても耳を傾けてくれるようなものっていうのはないわけですよね。ある意味。元プロサッカー選手って、やっぱそういう力あるじゃないですか。

多分、今だったら本田圭佑とか、長友佑都とか、ベルマーレにパッと来て話せば、うちだったら齊藤未月とか、パッとアカデミーに来て、パッとしゃべるだけで、子どもってものすごい聞くし、与えられる影響って大きいけど、自分にはやっぱそういうものはないけど、ないからこそ、人よりサッカーの試合見たり、どうやって相手に勝つかっていう部分を考えたり、そういう部分は敏さんが認めてくれた部分なのかなっていうのは。

 

倉本:なるほど。そうだね。どうやって相手に勝つか。やってたもんね。自分がね。もちろん日本でプレーしてる人たちもそうなんだけど、でもリーグ戦の緊張感っていうか、プレッシャーとあとレベルのすごい拮抗してる中でやり続けるのってやっぱちょっと違うなって。

環境の違い

石川:まあ日本とスペイン、やっぱサッカーの環境で言ったら、だいぶ違うのかなというのは、今でもやっぱ日本は、それはそれで全然いいと思いますけど、トーナメントだし、そっちの方が大事じゃないですか。リーグ戦より。

だからなかなかそれはメディアの見せ方だったり、そういうのいろんなこと影響してそうなってるとは思うんですけど、そういう意味では結構違う文化で育ったから、だからこそ与えられるものがあるのかなっていうのは、評価してもらえた部分なのかなと思いますけど。

 

倉本:まあね。しかもキーパー目線でも見れるしね。

 

石川:そうですね。キーパーもそれなりには。

 

倉本:いいですね。じゃああと二つだけ質問します。

石川:はい。

若いコーチにアドバイスを

倉本:もし進路に悩んでる大学生とか、今後サッカーコーチとしてどうしていったらいいんだろうって悩んでる若いコーチに、もしアドバイスがあるとしたらどんなアドバイスしますか。

 

石川:一つは自分の何か武器みたいなものが必要になるっていうふうに思っていて、僕の場合はそれが言語と海外で生活していたっていう部分なんですけど、例えば日本で普通に中高、日本で過ごして、公立の高校からどこかの大学に行って、サッカー部でサッカーやってましただけだと、なかなか差別化みたいなことってできないと思うんですよね。

じゃあ、そういう大学生か、もしくは高校卒業で大学行かないでサッカーの世界にっていう人たちが、自分の武器じゃないですけど、武器を得るためには、何か行動をしないといけないと思うんですよね。

何となくサッカー界の誰かと知り合って、その人から口きいてもらって、サッカー界に入れてもらいましただと、やっぱり絶対苦労すると思うんですよね。もしかしたらそれは、すごいこうシンプルな考え方ですけど、そしたら海外でもう1年、2年、修行してもいいかもしれないし、別にそうじゃなくてもいいと思うんですよね。

ビジネスの世界ですごい頑張って、Jクラブに僕、お金の稼ぎ方教えられますぐらいビジネス感覚が身に付いたら、もしかしたらそういう仕事を見つける一つの形にはなるかもしれないし、ずっとサッカー界にいた人っていうのももちろん強いと思うんですけど、やっぱり一回ビジネスの世界というか、そういうところを見て、自分なりに3年、4年やって、勉強して、社会の流れとか、どうやってお金って動いてるのかとかわかるっていうこともJクラブって実はニーズだと思うんですよね。

サッカーしかできませんって人はたくさん見つけられるけど、サッカープラス、いや僕、スポンサーの連れてき方わかりますよ。こうこうこういうふうにしたら、お金稼げるし相手も喜ぶしいいじゃないですかみたいな提案ができるとか。

まあそれこそ言語でもいいと思うし、そういう武器がやっぱり絶対ないと、何となくだと難しいのかなって思うのと、あともう一つは、覚悟ですけど、サッカー界って厳しいとは思うんですよね。日本でも。

スペインほど解雇されたりっていうのは少ないですけど、やっぱり実力なかったらすぐ別の部署に出されちゃったり、解雇されちゃったりっていうのは当然あるし、安定というか、不安なく過ごしたいだったら、絶対サラリーマンの方がいいと思うんですよね。

 

倉本:確かに。

 

石川:だから冒頭、僕も言いましたけど、サラリーマン気質みたいなものがやっぱすごい強いと、なかなか成功しないのかなと。自分一人でちゃんとお金を稼いで、サッカー界で生きていく覚悟がないと、なかなか難しいのかなっていう、その二つですかね。

 

倉本:おおー。いや、良い話。ありがとうございます。

 

石川:結構、僕も「サッカー界戻りたいんですけど」って言われることありますけど、大学の後輩とかから。「やめた方がいいよ」っていつも言います。

倉本:(笑)。

石川:「学校の先生やってるんだからもういいじゃん、それで」っていつも言います。

倉本:確かに。わかる。

石川:それで来ないぐらいな感じだったら来ない方がいいと思うんで。

倉本:そうだね。それでも食い下がってくるかどうかだもんね。

石川:そう。というくらいな覚悟がないと、結構サッカー界、少ないイスを争ってる世界ではあると思うんで。

倉本:そうだね。

石川:いつも人材不足ではあるんですけど、Jクラブって、人探してるんですけど、でもなんかやっぱりこう、なんとなくなかなか入れない世界ではあると思うんで。

倉本:そうね。なんかあんまり育てようっていうのはないよね。Jクラブ。だってもうできる人とか、よりこのクラブを発展させられる人、誰かいないの?になるじゃん、基本。

石川:そうです。だから新卒でなんかどこかのサッカー部でやってた子をいきなりジュニアユースのコーチとかに絶対しないと思うんで。

倉本:しないしない。それができるのは元プロの選手で引退してとかじゃないとならないもんね。

石川:そうです。だからなかなかやっぱり狭き門ではあると思うんで、育てようっていう気は確かにないのかもしれないですね。そこまで強くは。

倉本:そう。そこに余裕がないっていうのかな。

 

石川:ただなんか協会とかが結構そこをサポートしてくれる制度とかは作ってくれてるのかなとは思いますけど、確かにそういう部分弱いかもしれないですね。

 

倉本:うん。まあ大企業じゃないから、そんな人、数年かけて、いずれは立派な仕事できるサラリーマン、サラリーマンって言い方があれだけど、仕事できる人を育てようっていうよりは、もう即戦力ですぐほしい。できたら安くっていう感じにやっぱりなると思うんだよね。どうしても。それは会社の規模感っていうのも、会社っていうか、クラブの規模感とかにもよるけど、それは現実だったりするかなって。

 

石川:うん。クラブの規模にも確かによってくるような気はしますけどね。でも大きければ大きいほど、逆に育てようとしてないのかなっていう感じもあるし、そこらへんはやっぱ社長から下がどれぐらいそこに対して危機感を持って動くかっていうのがやっぱ大事なのかなとは。

将来像を教えて

倉本:なるほど。そうだね。では、最後の質問。桂は今後、どんなコーチになっていたいですか。っていうか、夢っていうのかな。将来像。もし考えてることがあったら。

 

石川:将来像はすごい直近にはなりますけど、自分でチームの責任者やってみたいなっていうのは、今は漠然とは思っていて、いわゆる監督ですよね。ただ、まだ勉強しないと自分自身もなかなかすぐじゃあ明日からやれって言われてできるようなものではないと思ってるので、そこの部分はいつかやってみたいなっていうふうには思ってますけど、どういうふうなコーチっていうと、やっぱりこう、この人といるとサッカーうまくなるなって思ってもらえるコーチが今はなりたいですかね。

多分、サッカー界はやっぱり指導者で言ったら、この人といると勝てるって思ってもらえることもものすごい大事だと思うんですけど、この人といると勝てるし、うまくなる。両輪あったら本当最高だと思いますけど、どっちが自分の中で今優先順位高いかなって言ったら、自分の興味もあるっていうのもあって、やっぱどうしたらうまくなるかっていうところにすごい興味があるから、この人といたらサッカーうまくなるわって選手が思ってもらえるっていうのが一番かな。

 

倉本:素晴らしい。ありがとうございます。じゃあインタビューは以上で終わりになります。

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