4ゴールゲームのメリットと7人制のデメリット ドイツサッカー育成改革の話 part2

サッカーの本質、構造に子どもを合わせるべきか?

それとも子どもの成長、発育段階にサッカーを合わせるべきか?

 

そんなことを考えさせられました。

10月25日〜31日まで家族4人でドイツとオランダに行ってきた時の話です。

旅行の目的の1つは

ドイツで導入が決まった4ゴールゲームの実情を調べる、見ること。

ミッテルライン州の育成責任者オリバーさんに4ゴールゲーム(ドイツではフニーニョと呼ばれています)について話をご紹介します。

ドイツで始まっている幼児、小学低学年での育成改革

オリバーさんの話 part2 です。

ドイツ育成改革 育成責任者オリバーさんの話②

7対7のデメリット

B:例えば7対7とか導入してると、1年経ったときに、片方のところで小学校低学年の試合が1試合と、もう片方で小学校中学年ぐらいの2試合でグラウンド埋まってしまったとしますよね。

7対7におけるそのマイナス点についてですけど、

第1の問題

そもそも試合のメンバーに入らない。試合に出れない。

あんまりうまくないからという意味で、試合もできなかったらモチベーションもなくなるからサッカーをやめてしまったりする。

こっちは生れた月で成長スピードが変わるので、多分1月、2月、3月とか4月に生まれてる子のほうが圧倒的に有利なわけで、10月、11月に生まれた子は同じ学年だけども、もうほぼ1学年ぐらい違う差が出てきて、その子たちはそもそもチャンスがもらえなかったりして、ただ生まれるのが少し遅かっただけで、ただあまり大きくないとか、試合に対応できないっていう理由で使えなくて、やっぱり問題を抱えて、その時期生まれの子どもたち抱えてしまう問題というのは出てきてしまう。

レギュラーで例えばちゃんと使ってもらえない子たちはベンチでただ待ってる時間が多くて、試合に出てる子と比べたらその成功する可能性っていうのはどうしても少なくなってしまう。

第2の問題

次の問題点としては、ポジションを固定してしまうということ。

例えばゴールキーパーのポジションというのはそのちっちゃい子に対してボールって圧倒的に大きすぎるので、今この州は下の半分だけゴールと紐で設定をしてますけど、そうじゃないとしたら、もうそもそも届かないし、届かないってことは届く可能性がある大きい子がキーパーをやるし、でもじゃあキーパーとして才能があるかどうかってまたわからない。

フィールドプレーとしてもっとうまくなる可能性もあるし、逆にまだ小さいけどキーパーとして才能持ってる子もいるかもしれないから、ポジションを固定してしまうことによる弊害っていうのはここで出てきてしまっている。

あと例えばセンターバックのポジションっていうふうに考えると、やっぱここも例えば体が大きかったりとか、クリアで飛ばせる子っていうのが置かれがちなんですけど、でも彼らはそういった仕事ってか、役割だけを与えられて、じゃあ例えばドリブルなんかしないですし、ワンツーパスなんかしないし、それこそシュートを決めたりすることもない。

そういうプレーを学ばない。実践的なことも入って来ないままやってくと、小さいうちはそれで試合にも勝てるしチームの役に立ててるけど、じゃあ年齢が上がって14歳、15歳となったときに、そういった選手がどこで使えるかっていうと、使える場所がなくなってサッカーする機会がなくなってしまう。

やっぱりそういったどこでうまくできるかどうかは本当わからないですし、うまくいかないこともたくさんあるでしょうけど、でもやっぱりいろんなポジションで使ってあげることで経験を深めて、いろんなプレーができる子になるっていうことは、指導者のほうから考えなきゃいけないし、ただやっぱり経験がなかったり研修受けてない指導者の人っていうのは、そういうことをやっぱり度外視してこの試合勝つためにってところで、後ろに壁を作って蹴らせるってやってしまうと。

中盤であったり前の選手も含めてそうなんですけど、7対7で小さい子どもたち、中学年ぐらいの子たちも含めて、認知的な能力のところにいって、年代の成長段階と考えると、やっぱりあまりに人数が多すぎるし、コートが大きすぎる。

だからどこでなにが起こってんのかを把握するのに対応できないから、頭がカオスになってしまって、それがやっぱプレーに反映されて問題が生じてしまうってことがあげられますね。

過剰な勝敗へのプレッシャー

あと二点は先ほど話したんですけど、大事なのは指導者の方の関わり方。やっぱり7対7で勝つ、負けるってなると、試合に対して影響を及ぼそうと指導者が増えてくるし、声かけもどんどん増えてきます。

でも指導者にとって大事なのはその結果云々じゃなくて、子どもたちがどう成長するかを見守ることであって、導くことであって、子どもたちが勝ちたいっていうのは当然だしそうであるべきだと思うけど、それに大人が乗っかってしまうと、やっぱりいろんなところで問題が生じてしまう。

勝つためにどうするではなくて、じゃあどうやったら成長するのか、次につながるのかっていうのをしてあげないと、子どもたちが結局、今だけじゃなく、次の年代に行ったときにはもう足らないものが出てきたりとか、将来的に困ってしまうふうになってしまったら、結局意味がないんじゃないかと。

今、7対7の形ってのは減っては来てますし、そういうのを変えようとしてる地域とか州も増えてきてますけど、全体的に見たらやっぱりまだまだ行われてるっていうのが現状ですね。

 

今一つちょっとビデオ見ていただきたいと思います。ドイツサッカー協会ですけど、まあフニーニョに移行するにあたってやっぱり考えられてるというか、見られるのは、やっぱ7対7でネガティブとかもらえるものをどう変化させるかというか、どういったポジティブなものが生まれるのかっていうところであって、同じグラウンドの中で例えば3メーター例えば作って、ミニゴールを、これは7対7でいうと、フニーニョだけじゃなくて、ミニピッチによるサッカーにおけるメリットと、そういった違いなんですけど、同じコートサイズに3面を作って、フニーニョの場合、3対3でやってますけど、ローテーションで入ってくる子どもたちがそれぞれ大体1人ずつ、セットされてるので、こっちはアクティブに入れ替わることができる。

その段階で7対7やって、10人の子たちが同じ時間というか、3面の中でサッカーに携わることができる。

フニーニョのメリット

一番まず大きな違いは二つのミニゴールを置いてやってるので、キーパーがいない。それぞれがボールを足で扱わなきゃいけないし、片方の例えば2人が寄っていると、逆サイドのゴールが狙えるなと思って、自分たちでその状況を認知してどうするかって考えるっていうことが要求されるし、サポートされる試合になりますよね。

 

ゴールがどっちのチームでもいいんですけど、ゴールが入った段階で、そのローテーションの選手は必ず交代で入ってる。だから自分が失点しても得点しても必ず交代をします。

だから監督が誰を出す、外すって決めるんじゃなくて、そういったシステムの中で子どもたちが自由に変わってやってくっていうやり方を取ろうとしている。そうすることでうまいから、うまくないからっていう理由で出場時間が左右されることもないし、だけどみんなが大体同じふうになるし、最長2分間ゴールが決まらなかった場合は、その段階で自動的に笛を吹くようにして、そこで必ず選手交代をするというふうにしてやってく。

ピッチサイズが大きくはないので、みんながみんなゴール前にもいけるし、逆に戻らなきゃいけないという環境作ることができるので、小さいうちからそのポジションが固定したりやることが限られるのではなくて、もうその将来的にどのポジションであっても対応できるような下地を作ることができるんじゃないかというふうに思ってます。

3対3とか6人ピッチ上に出ても、そうなってくると、小さい子どもたちでも負荷が高すぎるわけではなく、状況判断して、今そこに味方がいるからパスを出そうとか、あそこゴール開いてるから行こうっていうことを、意識して考えるようになってくる。それはただ7対7ではできないことだし、7対7だと団子になってしまって、もう本当になにがあるかわかんない状況になってしまう。

例えば3面あったとしたら、この試合で勝ったら1個上のピッチにいく。これがあって、1番、負けたら下がるっていうふうに、昇格降格って感じ。6面あったらそれでどんどん回していく。

そうすることで、比較的実力は近い同士のチームの試合になるようにして、お互いのチームがよりサッカーができるような拮抗したゲームにして、対処大変がなくなって、どんなチームでもその試合に勝ったり点ができたりっていう可能性を持てるようなシステムっていうのをやろうとしてます。

どこからでもゴール狙ってるわけではなくて、シュートエリアがあるので…。

 

倉本:これ何メーターですか。

 

B:6メーターです。

 

倉本:6メーター。結構大きい。

 

B:6メーターのシュートがあって、そこまでどう運ぶのかっていうところがやっぱり要求されるところになってきます。もう一個興味深いルールがあって、例えば試合になってくるとこっちからは強いってことわかるんですけども、3点差以上なったとき、例えば4対1になった場合は、3人+1で4人で試合することができる。こうして、この力関係を整えるというか、力の差が大きすぎず、競争を楽しめるようにすることを考えています。

倉本:だからもし1点取っちゃったらまた3対3に戻って…。

 

B:これはまたそこでルールを決めて、例えば同点になったら戻すでもいいですし、1点差になったらまた戻すっていうような形にすることで、試合におけるある程度の緊張感っていうか、パワーバランスが拮抗するようにするんです。

できるだけ差をうまく縮めて、お互いが成長できるように持っていきたいので、こっちが強いんであれば、こっちをどうやったら勝てるチャンスを与えられるのかってのを考えて、ルール設定をしたりもするわけです。

何回かテスト大会みたいなやってきたことがあるんですけども、じゃあ6試合、それぞれの子がやって、1回集めて、「じゃあゴールを決めた子?」というふうに聞いたら、全員がやっぱり手を上げてる。7対7だとそんなことは絶対に起こりません。

どんな子でもやっぱりどんな可能性もどんどん広がっていくし、ゴールを決めるプレーに絡むことができるので、一つの成果として考える数字かなと。

あとは「この中で相手のシュートを防いだ子は?」っていうふうに聞いたら、これも全員じゃないですけど、やっぱり多くの子、すごい多くの子が手を上げてる。ってことは、オフェンスだけじゃなくて、ゴールを決めるアシストってだけじゃなくて、下がってちゃんと相手のシュートを守るっていうことも同時に経験することができてるんだなっていうふうにいうことができるんじゃないでしょうか。

やっぱりフニーニョのような形で試合をすることで、どんどんやっぱり次の試合が来るので、少し前の結果を忘れてしまう。例えば20分前に例えば5対0で負けたとしても、そのあともすぐに2試合とかあるので、その前に負けたことよりもそのあとまた試合やって、じゃあそこはちょっとうまくいったとか、またこれができたっていうことができるので、一個一個の試合に対する重みというかプレッシャーが、選手の、それから指導者にとってもなくなって、どんどん次のステップにいけるっていうのがやっぱりメリットとして考えれるんじゃないでしょうか。

あとはゴールの置き方で試合の現象というのもこっちからあらえることができると思うので、ミニゴールをゴールラインの中に入れたり斜めに置いたりとか、あるいは前に出してひっくり返して、中に入れたりとか、アイスホッケーのような形でやったりとか、いろんなバランス、やり方で刺激であったり戦術的なものとかも言わずとも少しずつ伝えていけたりはできるんじゃないかと。

これは今ドイツサッカー協会が考えてる将来的こうであってほしいプランなんですけども、本当にサッカー始めたばっかの子は3対3でもまだ早いというか、2対2でシュートゾーンではなくて、ハーフェーラインを超えたらそこからシュートしてもいいというようにやって、1年ぐらい経験を積んだら3対3へ

 

part3へ続きます。